202210

ナオミディスコ、 はじめました。

セソコヨシアキ
いつだってセソコ。

少し季節外れの話題だけど、夏になると貼り出される「冷やし中華 はじめました」。あれはすごいキャッチコピーだよね。何かをはじめた時にはオマージュせずにはいられない「はじめました」じゃないかな。誰が作ったのかわからないけど日本中どこでも通じる民藝的でオープンソースなキャッチコピーとポスターのイメージ、それが「冷やし中華 はじめました」なわけだ。


日本には「土用の丑の日」という江戸時代から使われている著作権フリーな素晴らしいキャッチコピーもあるのだけれど、あれは平賀源内という立派な名前の作者によるもので、どちらかというと美術工芸的なコピーと言えるのかもしれない。


平賀源内といえば、みなさまご存知のエレキテルだしキテレツ大百科なんだけど、最近は百科事典とか見なくなったのね。昔はどこの家の応接間にも書棚には百科事典と家庭の医学が並んでるのが定番で、「ザ・一億総中流家庭」の象徴とは言わないまでも文化住宅と並んで日本の侘び寂びを感じる風景のひとつだったと思うんだよね。


それから数十年経って時代の移ろいと共に百科事典はスマホとネットの海を漂うわけですが、消えゆく文化もあれば新しく起こる文化もあるのが世の常だし、今の時代の日本的侘び寂びの風景というのも探せばきっとあるんだろう。


それはそうと、ぼくらが沖縄でヤッチとムーンというお店をはじめてから8年の歳月が経ちました。それだけ時間が経てば色々と変わるもので、人も世の中も自分も変わるし、新しく生まれてくるモノも多々あったりするものだ。ぼくら自身も自営業で細々とした生業だったはずが法人として会社になったり、ヤッチとムーンのうつわがテレビドラマに出て少しばかり有名になったり、沖縄の他にも東京にオフィスを置いて渋谷や鎌倉でもお店を持ったり、そして縁もゆかりもなかった岐阜に生産拠点をつくったりと、自分でも思わぬ場所にたどり着いたりするのであります。


あと、たまたま面白い焙煎機に出会えて自分たちでローストした美味しいコーヒーが毎日飲めるようになったのは良い変化だし、コロナみたいなあまり嬉しくない変化もあった。一方でなかなか減らないぼくの体重という、いつまでも変わらないものもある。むしろ徐々に増えているような気がしないでもないが、その辺は深堀りせずに脇に置いておきたい。世の中には知らなくて良い事柄もあるのである。


ここまで読んでくれてありがとうございます。

そんなこんなで、食欲の秋の夜長ではありますが、オンラインメディア「ナオミディスコ、はじめました。」


書いた人

セソコヨシアキ

セソコヨシアキ

株式会社フルイカノス代表取締役。
生まれてこの方ずっとセソコな人。これまで過ごした場所は沖縄と東京と岐阜。鎌倉も含め4ヶ所くらいを行ったり来たり。あと富士山頂にも2週間ほど滞在したことがあります。

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